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車両マーキングは自走式看板なのです。


車両マーキングは、昔はペンキで車体に文字を書き込むものが主流だったので、書く人の癖が文字に出たり消せなかったりシンプルだったりしました。車体の一部にアクセントでライン等を入れるにしても同じく塗装でした。
それが徐々に粘着フィルムに置き変わってきたことで、一気に車両マーキングの可能性が広がりました。

フリートマーキング・カーマーキング・車両ラッピング・痛車等々。
色々な呼び方はありますが、マーキングは一部、ラッピングは丸ごと、痛車は以前は可愛い女の子のイラストが貼ってある車でした。まあ最近は行政でもコラボキャラを使うようになってきたので、そろそろ痛くなくなってきたのかもしれません。
簡単に社名等を貼ってラインどころか車に丸ごとフィルムを貼って色を変えることも簡単です。しかもフィルムによっては気に入らなくなったら剥がして原状復帰出来ます。

そんなフィルムのお陰で、動く看板としての利用は増える一方です。

先日、訪問介護事務所様から新規に介護保険タクシー事業を始めるので車両マーキングをお願いしたい、との依頼を頂きました。

デザインはお任せします、と言われて頂いた名刺には和柄風の花が角にあしらわれています。これはイメージを統一した方がまとまるのでは?と、まずは名刺の絵柄をコピーして配置しました。


ただこの絵柄はあまりに小さくて、綺麗なデータが無かったために実物大に拡大すると使えません。
次は着物に使われるような風流な花を配置してみました。


スタッフの方々から「綺麗だけど、菊はお葬式のイメージが……」と。

……確かにそうでした‼ 介護タクシーでこの花では、暗い未来しか見えません。
慌てて、楽しく乗って頂けるような華やかな花に入れ替えました。見本写真の車種も実物と違っていたので模様の大きさや配置も変更です。


後方の花が鮮やかなのでロゴ周りは柔らかなものにして、これで決定です。

模様はプリント、文字はカッティングシートで作成しています。
車体がシルバーなので模様と見えにくい文字の周りには白の縁取りを付けました。この縁の有る無しでずいぶん印象が変わりますね。


完成がこちら。
今回は2台施工させて頂いたのですが、なかなか綺麗に貼れたのでは?と自画自賛しています。暗い写真ばかりなので見にくいですけど。
実はしばらく看板業界を離れていたため、車丸ごとを1人での施工は5年以上ぶりになり最初少しもたつきましたが、無事に仕上げることが出来ました。
やはりこのように施工前と施工後の外観が見違えるように変わる仕事というのは、塗装でも看板でも楽しいものですね。


ここまで読んでいただきありがとうございます。
HP担当兼雑務及び看板職人の久保でした。